福井片町 こびと
こびと
 ファミリーな飲み屋さんは昔はいっぱいあった。ドアを開けると「あら、おかえりなさい」「疲れたなぁ」「まずは冷えたビールでもいかがですか?」なんて会話がそこかしこのお店で交わされたものである。
 流行りの歌を歌う者もいれば、いつも同じ『べサメムーチョ』を声量豊かに唄うおじさんもいる。店の端っこではブツブツ何やら一人ごとを言って酔いつぶれている若者もいる。
 その若者に何かを言おうとすると店のママが「ほっときなさい。今日は嫌なことが会社であったんだって。」という答えが返ってくる。今から考えればこれも一つの昭和史の一幕のようである。でもその時はみんな実感を持って生きて、泣いて、喜んでいたように思えてしょうがない。
 それがいつからであろう。みんなお行儀よくお酒を飲み、紳士的に店の娘とお話をするようになったのは?客同士の会話は皆無である。

今、ウツ病が劇的に増えてきているという。世の中、嫌なことはいくらでもある。数えればきりがない。でも昔はこういうファミリーな店がいくらでもあって一時的にでも「嫌なこと」を忘れさせてくれた。そして「明日も頑張るか!」という気分で家に帰ることができた。
 サンロイヤル片町ビル4階にある『心美人(こびと)』は我々が忘れかけた飲み方と雰囲気を持った店である。店のママは心配りができ、頭がよく、優しい。今時の店のママとは正反対である。当たり触らずではなく、正面から来てくれる。だからお客さん同士もすごくファミリーな感じがするのである。
 そうまさしく“行きつけの店”と呼ぶのがぴったりの店なのである。気取って女の子だけを目当てに行く店は長続きしない。あなたもそろそろ大人の行きつけの店を持ったらいかがでしょうか?

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