今回ご紹介するのは居酒屋の“しまだ”である。これまで多くのスナックやラウンジを読者の皆様にご紹介してきた。しかしながらいきなり片町に行って、腹ごしらえもせずにこういう店にはまず行かないであろう。
まずはうまいもんでも食って・・・ということになる。そうした時にレストランでイタリアンをなんて話にはならない。当然居酒屋さんでということになる。どうしてだろう？まずお酒を飲んで景気づけしてスナックにくり出す。こういうパターンではないだろうか?
当然そんな時うまい酒の肴を食しながらと多くの人が望むであろう。しかしその時１品１品がボリュームがありすぎると困るのである。酒飲みは貪欲である。いろんなものを食べたいのである。それも季節の旬のものをどうせなら食べたい。
春には初ガツオ、タラの芽、夏にはタイの刺身、秋はきのこ、冬はだだみ・・・。こう書いているときでさえ筆者はツバが口に溜ってしまう。パブロフの犬、状態だ。ああ～、四季のある日本に生まれて良かった！
そしてこの酒飲みの貪欲な食欲を四季折々に満たしてくれるのが“しまだ”さんなのである。はっきりいって高級料亭ではない。またその逆のＸＸ屋といった大衆大型チェーン店もない。そこにはたこ焼きやヤキソバなぞない。あくまでも地のものの旬の野菜や魚である。
これがまたサイコーにうまい。よく昔、上司が言っていた。「こんなうまいもんをわしら、外で食っていてそれを基準に女房に『もっとうまいの作れ』って言うのはそれは確かに酷だわ」「それを言うなら女房にもこんなの食わさにゃ」と自戒を込めながらそれでも「うまい、うまい」と食べていたのを思い出す。
片町で“しまだ”で食べたことがなければこれははっきり言います。もぐりです！それくらいうまいし、値段もリーズナブル。若おかみさんが何よりも元気で楽しくて美しい（最後のフレーズは見る人に異なるが・・・）。
普段お酒を召し上がることの少ないグルメの方も行って絶対に損にはなりません。天晴本舗いきつけのお店です。
